内張り張替修理

内張りについてのお悩み

 バッグや財布の中には、内張に合成皮革(以下、「合皮」)が使用されている物が数多くあります。そんな合皮の内張りのバッグや財布を使用されているお客様から「中に入れたものが何か分からないけど粉まみれになっちゃう。」とか「内張りがベトベトして内張通しがくっ付いたり、中に入れていた物にまでそのベトベトの物が付着してしまった。」というお悩みを多数頂戴しております。

 単順に、内張りに使用されている合皮の製品寿命を迎えてしまった事が原因な訳ですが、なぜこんな事例が発生していまうのでしょうか。

合成皮革を使用した内張

 海外有名ブランドのバッグや財布などでよく見られるのですが内張りに「合皮」がよく使用されていたりします。このブランドでも内張は合皮なの?って感じてしまうのは本革に対して合皮は所詮「フェイクレザー」であって本革より安いものという認識があるからだと思います。しかし、合皮は本革に対して軽量であることが優位点となり、合皮が採用される大きな要因となっていると思われます。欧米の気候では合皮を採用してもさほど問題になっていないとも聞いているのですが、何故か日本においてはこの合皮の経年劣化により色々な問題を起こしてしまうようです。

合皮が起こしてしまう問題とは?

  • 合皮表面がベタついてくる。
    • 酷い時は合皮同士がくっ付いてしまう事も。
  • 合皮表面が劣化して粉を吹いたような感じになってしまう。
    • 酷くなるとカバンや財布に入れていた物が粉まみれに。

 海外の気候ではこういった問題が起きにくいのか、内張に合皮を使用しているブランドが結構多いような気がしますし、実際に採用されている事を考えると、海外ではその気候のおかげで数年で劣化してしまう事はないのかもしれません。
 しかしながら、日本の夏場の高温多湿、冬場の低温乾燥がしっかりをわかれる気候では合皮の劣化が著しく進むようで、基本合皮の寿命は3年ぐらいであると言われています。

そもそも合成皮革とは一体なに?

 本物の皮革に似せて人工的に作った皮革素材を総じて「合皮」と呼んでいますが、この合皮には「合成皮革」と「人工皮革」と呼ばれるものがあります。合成皮革と人工皮革の違いはざっくりいえば基礎となる素材が「不織布」を使用しているかどうかという点になります。

  • 基礎となる素材が不織布の場合、人工皮革
  • 基礎となる素材が不織布ではない場合、合成皮革

 合成皮革、人工皮革共に基本となる素材は「ポリウレタン」となり、基礎となる素材に樹脂をしみこませたり、ウレタン塗料を塗布してコーティングして、表面を型押しなどで加工を行い見た目を本物の皮革風に製造しています。

 近年ではランドセルの素材として使われている「クラリーノ」や乗用車の内装に使われる起毛皮革である「アルカンターラ」など高耐久性のものが誕生していますが、まだバッグや財布の内張にはそういった高耐久性の合皮は使われている事は非常にまれの様に感じています。(耐久性を高める為にはある程度厚みが必要なのかもしれません。)

 そういった高耐久性の合皮はわかりませんが、一般的に合皮はポリウレタンを使用している事から大体製造から3年程で表面に亀裂は入るなどの劣化症状が現れています。使用状況によって劣化の進行具合は変わってきますが、合皮の内張の場合4~5年を経過したら状態を確認する必要があるかと思います

 本革に比べて合皮の耐久性は劣ってしまいますが、合皮は本革に比べて軽量化できるという点から内張りの素材として合皮が採用される事が多いのではないでしょうか。

当店の内張張替え修理について

 経年劣化してしまった合皮の内張の張替え修理の行う際、当然、元と同じように「合皮」の内張を作成して修理する事は可能ですが、結局数年後には再び経年劣化が始まってしまい、再び同じ問題で悩んでしまう事になってしまいます。

これは当店の考える「修理」では無いなのではいか。

 そう考えて当店では、内張張替えには「シャンタン地」と呼ばれるよくバックや財布の内張に使用されている生地を使い修理を行います。

 ※当然お客様からの要望により、合皮または本革を使用しての内張張替え修理も承っております。

内張修理で出来る事

 素材はシャンタン地に変更しても、今までと同様の形の内張りに張替え修理を行う事が基本修理となります。 

 が、せっかく内張りを張り替えるのですから、当店では様々な内張のカスタマイズを行う事が可能となっております。そのカスタマイズを簡素に列挙すると、

  • 元々内ポケットが付いていたが使わないのでなくしたい
  • 内ポケットがないので、新しくつけてほしい
  • 仕切りがないので、つけてほしい

等々、お客様の御要望をお聞きして新たな内張を作成していきます。

内張り修理の事例

内張張替えの修理の中で、一番お客様からの修理依頼が多いのがLouis Vuittonのバケットタイプのバッグの内張り修理になります。

※Louis Vuittonのバケット型バッグに使われている合皮と日本の気候の相性がよっぽど悪いのか、結構な頻度でベタつきが発生してしまうそうです。確か、ルイヴィトンではリペアサービスを行っているはずですが、せっかく直しても再びベタついてくることもあるそうで、当店に修理依頼されたお客様もみえます。

【Louis Vuitton】バケット型バッグ

ルイヴィトン修理事例1

内張りの合皮が経年劣化によりベタついた為、張替修理の事例・・くわしくは「こちらから

【IBIZA】二つ折り財布

イビザ修理事例1

コイン入れ部分の内張りの革が劣化してしまった為、張替修理・・くわしくは「こちらから

【LOEWE】ショルダーポーチ

ロエベ修理事例1

内張りの塗膜が剥がれて粉を拭いたようになった為、張替修理・・くわしくは「こちらから

内張り張替修理の金額

内張り張替については、バッグ、財布ごとに内張りの形状がすべて異なる為、依頼品をお預かりしてからお見積りを出させて頂いております。ただし、修理事例の所で一番最初に紹介しているルイヴィトンのバケット型の内張り張替につきましては、基本修理金額が決まっていますので参考にしてみてください。

●ルイヴィトン・バケット型内張り張替価格

 作業内容基本価格
標準内張り張替修理内ポケットなし22,000円(税込)
・追加作業内容内ポケット追加4,400円(税込)

その他のバッグ等の内張り張替につきましては、別途お見積りを出させて頂きます。


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