今回紹介させて頂く修理事例は「ビジネスバッグの染め替え修理」になります。
染め替え修理について
染め直し修理ではなく、染め替え修理をご希望されるお客様にその理由を聞かせて頂くと・・・・。
・せっかく頂いた鞄なのだが、色がどうしても好みの色ではなく、使わずに何年も経過してしまったが、捨てる訳にもいかず、困っていた所にドクターレザーおかざきさんの事を聞いて、色を変えれば使う事ができるので、是非染め替え修理をお願いします。
・母親の遺品分けでこの鞄をもらったんですが、以前流行った色合いなので使いにくく、落ち着いた色に変えてほしい。
・独身の時に給料で買ったカバンなんですが、長年使ってきて色あせもしてきたので、ここで気分一新で色を変えてみたい。
特に、自分の親も持っていたのですが、緑色、青色、ピンク色など中々奇抜な色で染められた"ワニ革"のバッグについて、「形見分けでもらったカバンをどうしよう」という相談が非常に多いんです。一時期、百貨店などが大々的に取り扱っていたのが"ワニ革"のバッグで、現在では自然の風合いのバッグか黒色系に染められたバッグが主流な気がしますが、今から30年~40年前はこういった色鮮やかなバッグがもてはやされた時代だったんでしょうね。
染め替え修理については、濃茶色もしくは黒色への染め替え修理となります。たまに青色→赤色みたいな感じの染め替え修理をご希望されるお客様もみえるのですが、基本元色より薄い色には染め替えはできません。絵具をべたっと塗る訳ではないので、元色が濃い色だといくら薄い色を重ね塗りしても透けてしまう為です。
染め替えできる色は限定されてしまいますが、今まで使ってきた鞄と新たな気持ちで接することができる「染め替え修理」を是非ご検討下さい。
ご相談内容
「ビジネスバッグの色を変えたい」とホームページを見てご来店頂いたH様。
「色が派手かな?と思ったので、いっそのこと落ち着いた"黒色"に染め変えたい」とのご要望でした。
ご持参いただいたバッグがこちら
擦れている所あまりなく、状態はかなり良いバッグになります。
この状態でしたが、染め替えをさせて頂いても、色落ち・移染する可能性はかなり低くなると思います。
が、こういったバッグの染め替え修理で必ず確認しなければならない点があるのです。
それが、
そう、ファスナーの布部分になります。
革については染め替えできますが、このファスナー部分については染め替えができず、今回の様に黒色に染め替えを行ってもファスナー部分のみが元の紫色になってしまいます。あまり気が付かない部分ですが、染め替え修理をさせて頂いく中でこのファスナーをどうされるかの確認をさせて頂いております。
1.鞄の染め替えを行う色に合わせてファスナーの取り換え修理も併せて行う。
2.ファスナーの取り換え修理は行わず、そのままファスナー部分は使用する。
の2パターンになるかと思います。ファスナーが隠れてしまうバッグでしたら問題ないかと思うのですが、今回紹介するバッグの様に明らかに見えてしまう際は結構重要なポイントになりますので、ご注意下さい。
今回お客様に確認させて頂いたら、「このままでいいです。」との事でした。