ヨーロッパなどで作られている鞄・・エルメスやらシャネルやらルイヴィトンなど。
そんなよく耳にするブランドの数あるモデルの中には内張などに合皮が使われている物があります。ヨーロッパなどの地域では問題がないので使用していると思うのですが、日本に持ってくると、日本の高温多湿の気候と相性が悪いのか、合皮部分が数年でベタついたり、粉が吹いたように表面がボロボロになってしまう事例が発生しています。
特に、合皮は内張部分に使用されている事が大半で、ベタついたり、粉が吹いたようになると使用することが困難になってきてしまいます。
そんな内張の合皮部分に不具合が発生してしまった鞄の内張交換の事例をご覧いただきます。
お問合わせ内容
親の遺品整理で出てきた鞄なんですが、内側を見たらカビが発生しており更に内張がベタベタに。これはもう使えないかな？と思ったんですが、ネット検索したらドクターレザーおかざきさんのホームページが出てきて、もしかしたら直るのか？とダメ元で連絡させて頂きました。
内張の張替をさせて頂ければ、また使えるようになりますよ。
当店では、内張の張替は基本「シャンタン地」と呼ばれる布を使用しております。当然、合皮や本革での修理も承っていますが、使用感などから考えるとシャンタン地をお勧めしております。
金額については、鞄の形状、内張の取り付け方法で変わってきますので、依頼品をお預かりしてからお見積りを出させて頂きます。
その後、お客様にご来店頂き、依頼品を確認しながら修理内容の確認をさせて頂きました。
依頼品の修理内容
お客様と持参して頂いたLouis Vuittonの鞄の外観。外から見る限り、非常に良い状態です。
しかし、内側を見ると、黒色の内張のはずなのですが、カビは発生し、内張を触るとべた付いていました。また、外側にもポケットがついているのですが、そちらの内張もベタつきが発生。
この鞄を確認しながら、お客様に当店の内張修理について説明をさせて頂きました。
- 基本はシャンタン地での張替修理となります。
- 内ポケットについては、オプション扱いとなります。
- 鞄の造りによっては、鞄を一旦ばらしての内張張替修理になります。
- シャンタン地の色は9色からお選びいただけます。
説明をさせて頂いた上で、お客様の要望を確認させて頂きました。
・シャンタン地で問題なく、色を赤色にしてほしい。
・内ポケットについては、上記内張写真の右側のようなポケットがほしい。
・出来る限り現状の様なピシッと張った感じの内張が希望
・本体の内張交換だけでなく、外ポケット側も張り替えてほしい。
上記４点を踏まえて、お見積りを出させて頂き、ご納得を頂いた上で修理を開始させて頂きました。
修理前の依頼品の状態
長い間押し入れに放置されていたとの事でしたが、内張の問題以外は非常に状態は良いです。
修理完了
お預かりして4週間お時間を頂戴しましたが、無事修理完了して当店に依頼品が戻ってきました。
当店としても、問題なく修理完了しているのを確認致しました。
今回、内張の色を黒色から赤色に変更したので、非常に目を引く内張になっていると思います。ファスナーを閉めてもチラッとみえる赤色の内張が個性を強調してますね。
修理完了後の依頼品の状態
